結婚とは何か―
「結婚とは何か」「夫婦とは」「結婚は人生のどこにあるものなのか」
そんな言葉を検索して、ここにたどり着いたあなたは、
きっと今、人生のどこかで立ち止まり、「結婚」というものをあらためて見つめているところなのかもしれません。
まわりの結婚ラッシュに焦ったり、親からのプレッシャーにため息が出たり。
「私はどうしたいんだろう?」と考えてみても、すぐに答えは出てこない。
そんな時間を過ごしている方も、きっと多いのではないでしょうか。
でも、今こうして“結婚とは何か”と考えていること自体が、とても大切なことだと私は思います。
あなたはすでに、大きな一歩を踏み出しています。
結婚は、人生の途中にある“居場所”のようなもの
私は60歳の男性です。30代で結婚相談所を通じて出会った妻と、もうすぐ結婚して30年になります。
この30年のあいだには、楽しいことも、つらいことも、たくさんありました。
子どもが生まれた日。ケンカして口をきかなかった夜。
病気で心細くなったとき、黙って背中をさすってくれた妻の手のぬくもり。
そんな時間が積み重なって、今の夫婦があります。
振り返ると、結婚は「人生のゴール」ではありませんでした。
むしろ、人生の途中で現れる“居場所”のようなもの。
そこには、自分一人では味わえない日常があります。
たわいない会話。食卓に並ぶ、ふたりの好きな献立。
誰かと人生を共有するあたたかさが、日々の小さな幸せとなって積み重なっていくのです。
夫婦とは、「違い」を抱えたまま共に歩く存在
私は、妻と結婚してしみじみ思ったのは、
「夫婦って、本当に別の人間なんだな」ということでした。
考え方が違う。感じ方が違う。得意なことも、苦手なことも違う。
恋愛中には見えなかった、相手の弱さや、自分の未熟さに気づくこともあります。
でも不思議なことに、そうした“違い”を少しずつ受け入れていくうちに、
ふたりの間にしかない“呼吸”のようなものが育ってくる。
夫婦とは、**「わかり合うこと」よりも、「わかり合おうとすること」**を重ねていく関係なのだと思います。
完璧に噛み合わないからこそ、相手を思いやる気持ちが生まれる。
それは、家族という形を超えた、人生のパートナーシップかもしれません。
結婚とは、「自分の人生が誰かの人生と重なる」こと
独身でいると、自分の人生は自分だけのもの。
選択も、責任も、すべてが自分次第。
でも、結婚すると――
自分の選択が、誰かの幸せにも、悲しみにも、つながっていきます。
うれしいことを一緒に喜んでくれる人。
苦しいときに、黙って寄り添ってくれる人。
特別な日じゃなくても、ただ「おかえり」と言ってくれる人。
結婚とは、自分の人生が“誰かの人生と重なる”こと。
その重なりが深くなるほど、「生きるって、こういうことなのかもしれない」と思えるようになりました。
完璧じゃなくていい。不器用なりに築く“ふたりのかたち”
結婚というと、なんとなく“ちゃんとしていなきゃ”と思ってしまうかもしれません。
家事分担も、お金のことも、子どものことも、
きちんと話し合わなきゃ、完璧にこなさなきゃ――と、気負ってしまうこともあるでしょう。
でも30年連れ添って思うのは、
夫婦に「正解」はないし、完璧じゃなくていいということ。
うまく話せない日もある。相手の気持ちが分からない日もある。
でも、それでも手を放さずにいようと思えることが、夫婦をつなぐ力になるのだと思います。
ふたりで少しずつ、「うちのかたち」をつくっていく。
それが結婚生活の、いちばんリアルであたたかい部分かもしれません。
さいごに:結婚を迷っているあなたへ
あなたが「結婚とは何か」と検索した理由は、
不安や迷いがあるからかもしれません。
でも、迷うのは当然です。
結婚は人生を左右する大きな選択ですから、
「本当にこれでいいのかな」と何度も思って当たり前です。
けれど、もし心のどこかに、
「誰かと一緒に生きたい」
「自分の人生を、誰かと分かち合いたい」
そんな気持ちがあるなら、それはとても自然で、あたたかい想いです。
結婚とは、“幸せを手に入れる方法”ではなく、“幸せを分け合っていく関係”なのだと、私は思います。
あなたのこれからの人生が、やさしくて、静かにあたたかいものでありますように。
そんなふうに、心から願っています。