「親のようになりたくないから、結婚はしない」
そう考えている30代の方に、最近とても多く出会います。
もちろん、結婚するもしないも自由な時代ですし、無理をする必要はありません。
でも私は、その「親のようになりたくない」という気持ちの中にこそ、あなたらしい生き方のヒントがあると思うんです。
私は60歳の男性です。
結婚相談所で妻と出会い、もうすぐ30年になります。
私も妻も、幸い親は仲のよい夫婦でした。でも、それでも「自分たちはこうありたい」という思いを大事にしながら歩んできたつもりです。
だからこそ今、穏やかで満たされた毎日があります。
「親のようになりたくない」は、自分を大切にしている証拠
親のような生き方は、自分には合わない。
それは、決して否定的な気持ちではなく、「もっと自分らしく生きたい」という、前向きなサインなのだと思います。
人は親を見て、安心を感じたり、逆に違和感を覚えたりしながら、自分の価値観をつくっていくものです。
親の生き方をそっくり真似する必要はないし、反対に全部否定する必要もありません。
大切なのは、「私はこうしたい」と、自分の思いに耳を傾けること。
その延長線上に、結婚という選択があるなら、それはとても自然なことではないでしょうか。
「結婚=親のコピー」じゃなくていい
私たちは、知らず知らずのうちに「結婚とはこういうものだ」という型を親から学んでいます。
でもその型が、自分にフィットしないと感じるなら、そこから自由になることもできるはずです。
「親のようになりたくない」という気持ちがある人ほど、自分らしい結婚をつくる力があるのではないかと。
それは、親とは違う“距離感”だったり、“役割分担”だったり、“会話のスタイル”だったりします。
正解は一つじゃありません。
自分らしい生き方を見つけるために、できること
では、親のようにならず、自分らしい人生を歩むにはどうすればいいのでしょうか。
ここで、私なりのヒントをいくつかご紹介します。
1.「理想の暮らし方」をノートに書いてみる
毎日の過ごし方、休日のこと、お金の使い方…
「こんな暮らしがしたい」という理想を、文字にしてみるだけで、自分の価値観が見えてきます。
結婚する・しないに関係なく、自分の“居心地のいい人生”を描いてみることは、大切な第一歩です。
2.いろんな夫婦を観察してみる
親だけが「結婚の見本」じゃありません。
友人夫婦、先輩、近所のご夫婦…
いろんな形の夫婦を見ていると、「こんな関係もありなんだ」と気づくことがあります。
私も若い頃、親戚の夫婦の仲のよさにふれて、「こういう空気感もいいな」と思った記憶があります。
3.自分が苦手な「家族観」を洗い出す
「こういうのは嫌だな」と思うポイントをはっきりさせることも、自分らしさを知るヒントになります。
たとえば「いつも一緒にいないといけないのは苦手」「家事の押しつけ合いはいやだ」など、具体的に考えてみると、将来のパートナーに何を伝えるべきかも見えてきます。
4.「誰かと暮らすってどんなこと?」を想像してみる
いきなり“結婚”を考えると重く感じますが、「誰かと一緒にごはんを食べる」「笑いながらテレビを見る」といった日常を思い描くと、案外しっくりくることもあります。
結婚という言葉に縛られず、「どんな時間を誰と過ごしたいか」と考えてみると、自分の気持ちが柔らかくなる気がします。
結婚するかどうかは、自分のタイミングで決めていい
結婚は、誰かに急かされてするものではないと思います。
まわりがどんな生き方をしていようと、自分の人生は自分で選べばいい。
ただ、もし「親のようになりたくないから」という理由で、少しでも可能性を閉じてしまっているなら…
ちょっと立ち止まって、別の角度から「結婚」を見つめ直してみてほしいな、と思います。
最後に:親とは違う未来を、あなたはつくれる
私も、妻も、自分の親とは違う家庭を築いてきたつもりです。
それは、親が間違っていたわけではなく、「自分たちはこうありたい」という気持ちを少しずつ形にしてきた結果だと思います。
あなたにも、あなたらしい生き方があります。
それが結婚という形になるかどうかはわかりませんが、自分の気持ちに正直に、やさしく向き合うこと。
それが、幸せへの第一歩になるのではないでしょうか。