親の介護は、誰にとっても避けられないテーマのひとつだと思います。
私自身も60歳になり、友人の中には親の介護で悩んでいる人が増えてきました。介護は肉体的にも精神的にも大きな負担になりますが、その中で「人はひとりでは生きられない」ということを改めて実感する瞬間があるのではないでしょうか。
この記事では、「支え合う人生」という視点から、介護に向き合う日々を少し違う角度で考えてみたいと思います。
親の介護に直面したときの正直な気持ち
介護が始まったばかりの頃、多くの人は「頑張らなきゃ」と気を張ります。けれども現実は、思った以上に疲れるものです。
私の友人も、母親の介護をしながら仕事を続けていましたが、ある日「もう限界かもしれない」とぽろっとこぼしました。そのとき彼は、弱音を吐いた自分を責めてしまったのです。
私は「弱音を吐けるのは、それだけ真剣に向き合っている証拠だよ」と声をかけました。介護で疲れたときに感じるのは、自分の弱さではなく、人が人を支えることの必要性なのだと思います。
「支え合い」を身近に感じたエピソード
ある知人は、介護の合間に地域の介護者カフェに参加するようになりました。そこで同じ悩みを抱える人と話すうちに、「自分だけじゃない」とホッとしたそうです。
私も話を聞いていて、共感できる場の力は本当に大きいと感じました。
ひとりで抱え込んでしまうと視野が狭くなりますが、ほんの少し人とつながることで「支え合い」を実感できる。これは介護に限らず、生きていく上でとても大切なことだと思います。
親を支えながら、自分も支えられている
介護をしていると、「私が親を支えている」と思いがちです。けれども実際には、支えているつもりが、逆に学ばせてもらっていることも多いのではないでしょうか。
私の知人が、寝たきりになった父親に食事を運んでいたとき、「ありがとう」という一言を聞いて涙が止まらなかったそうです。小さな「ありがとう」ですが、それは支える側の心を癒やす力になります。
介護は一方通行ではなく、そこには必ず「支え合い」があるのだと思います。
30代で介護を経験するあなたへ
30代の一人暮らしの方が親の介護に直面すると、「どうして私ばかり」と思うこともあると思います。友人はまだ自由に旅行したり、キャリアを伸ばしたりしているのに、自分だけ足止めされているように感じる。
そんなときは、人生の中で「支え合う経験を早く与えられた」と考えてみるのはどうでしょうか。介護で得られる学びや人との絆は、将来の人生や家庭を築くときに必ず役に立つと私は思います。
「支え合う人生」に気づいたとき、できる小さな一歩
支え合いの大切さに気づいても、「じゃあ何をすればいいの?」と戸惑うこともありますよね。私自身もそうでした。そんなときは、大きなことをする必要はなく、ほんの小さな行動から始めればいいと思います。
たとえば…
- 介護で疲れたとき、友人に「ちょっと聞いてほしい」と電話をする
- ご近所さんに「こんにちは」と挨拶をしてみる
- 親に「ありがとう」と言葉で伝える
- 一人で抱え込まず、地域の相談窓口やカフェに参加してみる
こうした小さな積み重ねが、支え合う関係をつくる第一歩になると思います。
私は、「結局のところ人は誰かと関わり合うことで心が守られているんだな」と感じます。もしあなたが今「疲れた」と感じているなら、無理に頑張るよりも、「誰と支え合えるだろう」と考えてみてはどうでしょうか。
まとめ
親の介護は、想像以上に心身をすり減らすものです。けれどもそこには、「支え合う人生」の大切さを学ぶきっかけも隠されています。
疲れたときは無理をせず、誰かに頼ること。支え合いの中でこそ、人は強く優しくなれると私は思います。
介護や家族の支えについて考えるときはこちらも → [将来が見えなくて不安なときに|“生きる意味”をもう一度考える]
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