「私って、時間の使い方が本当に下手…」
そんなふうに感じて、落ち込んでしまうことはありませんか?
やろうと思っていたことが、気がついたら何ひとつ手をつけられないまま一日が終わっていたり、
休日のはずが、スマホや動画に時間を吸い取られて終わってしまったり。
私も若いころはよく、「何をやっていたんだろう」と自己嫌悪になることがありました。
特に独身時代は、自由な時間がたくさんあるはずなのに、思うように使えないことに焦りを感じていたのを思い出します。
でも今、60歳になって振り返ってみると、少し考え方が変わってきました。
時間の使い方がうまくできない日があっても、それで人生がダメになるわけじゃない。
むしろ、そういう日こそ大事にしていいのではないかと、今は思っています。
「時間を無駄にした」と思うのは、向上心があるから
時間をうまく使えなかったと感じると、私たちはつい「自分はダメだ」と思ってしまいます。
ただ、そもそも時間の使い方を気にしている時点で、あなたは十分まじめで、がんばっている人なんだと思います。
何かを成し遂げたい、もっと充実した日々を送りたい、そんな思いがあるからこそ、「無駄にした」と感じるんですよね。
私も20代、30代のころ、「このまま毎日が過ぎていくだけで、何も残らなかったらどうしよう」と不安を感じていました。
でも結局のところ、その不安と向き合った時間もまた、自分の糧になっていたと今は感じています。
うまくできなくても、「それが今の自分」
「時間の使い方が下手」という言葉には、どこか「できていない自分」を責める響きがあります。
でも私は、「うまくいかない時期があってもいい」と思うようになりました。
生きていれば、体調が優れない日もあるし、気持ちが動かない日もあります。
何かに夢中になることができる日もあれば、ぼんやりして終わってしまう日もある。
私自身も、何かを始めようとしては中途半端に終わったこと、たくさんあります。
それでも、そういう時間の流れの中で、少しずつ「自分に合うペース」がわかってきました。
時間の使い方に「こうしなければ」という正解はないと、今は思います。
他人の時間の使い方と比べなくていい
「この人は毎朝5時に起きて勉強している」
「副業をして、仕事も家事も完璧にこなしている」
そんなSNSやネットの情報に触れると、自分がすごく怠けているように感じることもありますよね。
でも私の経験では、他人の時間の使い方を見て落ち込んでしまうときは、自分が疲れているときです。
人それぞれ、向いているリズムや得意なペースがあります。
朝型の人もいれば、夜のほうが集中できる人もいる。
一気に集中する人もいれば、ゆっくり積み重ねていく人もいる。
誰かのやり方が自分に合うとは限らないんですよね。
時間の使い方は、その人の生き方そのもの。比べるものではないと思います。
やりたいことが「できない」日も、あっていい
もし今日、やりたいと思っていたことができなかったとしても、それはダメな一日だったわけではありません。
もしかしたら、あなたは今日、誰かと何気ない会話をして、相手の心を温かくしていたかもしれません。
少し疲れて横になった時間が、心や体を守ってくれていたのかもしれません。
時間は「何をしたか」だけじゃなく、「どう感じたか」でも価値が決まるんじゃないか、と私は感じています。
毎日がんばり続ける必要はないし、完璧な時間の使い方なんて、そもそも存在しないんじゃないでしょうか。
時間の流れの中で、人生はゆっくり育っていく
私は60歳になりましたが、今でも「時間の使い方、下手だな」と思う日があります。
でも、それもまた自分の一部として受け入れられるようになってきました。
人生って、短距離走ではないと思うんです。
誰かに追いつくために急いだり、成果を出すことばかりを目的にしたりすると、かえって大事なものを見落としてしまうこともあります。
たとえば、結婚という選択も、人生のどこかでふと出会うものだと思います。
「今すぐ決めなければ」なんてことはありません。
自分のリズムで、自分の時間の中で、「一緒に歩いていきたい人」と自然に出会えることもあるのだと、私は思います。
最後に:下手でも、あなたの時間はちゃんと意味がある
「時間の使い方が下手」と感じるあなたへ。
私は、そのことを悩んでいるあなたが、とても誠実で、まっすぐな人だと思います。
焦らなくて大丈夫です。
自分に合ったリズムは、きっとこれから見えてきます。
それに、「時間をどう使ったか」よりも、「その時間の中で何を感じたか」の方が、人生では大切なこともあると私は信じています。
結婚に限らず、人生の大きな選択に迷うときも、焦らずに。
あなたの時間は、あなただけのものです。
どうか、自分のペースで、ゆっくりと歩いてください。
たとえ遠回りに感じたとしても、その道にしか見えない景色がありますから。