人間が生きる意味は、つながりの中にあるのかもしれない

30代で婚活を始めたある女性が、こんなことを言っていました。
「そもそも私って、なんのために生きてるんだろうって、ふと思ってしまって」

結婚の相談をしていたはずなのに、話はだんだんと人生全体に及んでいきました。
それを聞きながら、私自身も静かに自分の内側へと目を向けました。

人間らしく生きるって、どういうこと？

忙しさの中で日々をこなしていると、「生きている」という実感が希薄になるときがあります。
人間は、ただ食べて寝て働くだけの存在ではないはずなのに。

「自分らしく」「人間らしく」生きるとは、どういうことなのでしょう。
それはおそらく、“誰かとのつながりの中で、自分の存在を感じられること”なのだと私は思います。

「生きる意味」という言葉は、とても大きな問いです。
ですが、それを「一つの明確な答え」として見つける必要はないのかもしれません。

たとえば、ふと誰かと心が通ったとき。
誰かの言葉で自分が救われたとき。
反対に、自分の小さな言葉が誰かを支えていたと知ったとき。

そういった「関係性」の中で、「ああ、いま私は生きてる」と感じることがあります。
意味は、あらかじめ用意されているのではなく、日々の関係性の中で育っていくものだと、私は感じます。

結婚というものは、ただの制度やイベントではなく、
誰かと共に人生を歩むという「関係性」の選択です。

もちろん、すべての人が結婚する必要はありません。
ですが、「誰かと共に生きていきたい」と思うその気持ちは、
人間としてごく自然なものだと思います。

結婚には迷いや不安もつきものです。
けれど、「生きる意味」という大きな問いを考えるとき、
誰かと人生を共有することのあたたかさに、もう一度立ち返る人もいます。

生きる意味を問うとき、人はよく「正解」を求めます。
でも、人間は「迷う存在」なのです。
迷いながらも、自分なりの意味を探していくこと。
そのプロセスこそが、人間らしく生きるということではないでしょうか。

そしてその中で、「結婚したい」「誰かと一緒にいたい」と思うなら、
その想いをどうか大切にしてほしいと、私は願っています。

「人間とは何か」「生きる意味とは何か」
それは簡単に言葉にできるものではないけれど、
誰かと心を通わせた瞬間に、ふと見えてくることがあります。

婚活もまた、そうした「意味」への入り口になり得る。
だからこそ、結婚を「人生の選択肢の一つ」として、
あたたかく見つめ直してほしいと願っています。